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「ahamo」の衝撃│docomo「いいんだな?MVNO死ぬぞ?」

ahamo

本記事の内容は2021年4月20日時点の情報です。

docomoの新プラン「ahamo」、いろいろなところで話題になりすぎて、記事にしようかどうか悩みましたが、docomoと総務省の冷戦的なものが垣間見えたりして面白いので、記事化しました。

ahamoの要点

・月額3,278円、20GB、5分かけ放題
・容量超過後も1Mbpsで使い放題
・海外82カ国でローミング可能
・各種手数料無料
・解約違約金ゼロ円
・申込みはWEB限定

この「ahamo」プラン登場にあたっては、総務省がかなり動いていたのですが、素人目線で見ていると、総務省さん1~2年前とベクトル真逆じゃないか?という点、docomo側の「言ったな?本当にいいんだな?」的な姿勢も垣間見えて、非常に興味深いです。笑
これを話すと長くなりますし、(そして、大半の方は興味ない)この記事の最下部にでも、独り言として綴っておきたいと思います。

そんなことよりも、現状20GBプラン最強のahamoプランの詳細を!

ahamoプランの料金・概要

ahamoプランの料金・概要をまとめていきます。
20GBプランの中では、現在、最強プラン。サブブランド・格安SIMの立場なし。

キャリアが設定しているMVNO向けの回線利用料の改定が4月にある中、docomoが3月にフライングリリースする最強プラン。笑

ahamoプラン(料金は税込み)
料金3,278円
容量20GB
通話オプション5分かけ放題(基本料金に含む)
容量超過後の速度1Mbps
データ繰越未定(おそらく不可)
速度切替不可

海外ローミング

対応(82カ国)

契約期間・縛り

なし
解約違約金0円

月額3,278円、20GB、5分かけ放題、容量超過後1Mbps、これだけでも十分キャッチーなプランです。
さらに、82カ国でのローミングに対応し、20GBの容量を追加料金なく、海外でも使えるというのは、海外旅行に行く際に、海外用のレンタルルーター・現地SIMいらず。

3つの手数料無料

ahamoプランは、WEB申込み限定となっている代わりに、契約事務手数料・機種変更手数料・MNP転出手数料が無料となっています。

契約事務手数料・MNP転出手数料無料なので、とりあえず使ってみる。使ってダメならMNP。という場合でも、無駄な手数料が掛からないのも嬉しいポイント。

MNP転出手数料に関しては、無料義務化が控えているので、各社足並みを揃えますが、契約事務手数料はMNOがMVNOから徴収するので、格安SIM各社は無料化ができない点。
(MVNO側が身銭を切れば無料化も可能ですが、常時実施するMVNOはありません。)

容量超過後も1Mbpsで使い放題

ahamoプランでは20GBの高速データ容量が付帯しますが、20GBを使い切ったあとも、1Mbpsの速度で使い放題となります。

1Mbpsで使い放題と言えば、楽天モバイル「UN-LIMIT」、UQモバイル「スマホプランR」、Y!mobile「スマホベーシックプランM/R」で大好評。
通信速度の切り替えが可能な「楽天モバイル」や「UQモバイル」では、1Mbpsモードを普段遣いする方もいるほど。

海外旅行時、レンタルWi-Fi・現地SIM不要!

月間20GBも使える「ahamo」プランですが、この20GBは海外でも使えます。
渡航先として人気の国はほとんど入っており、海外旅行時や短期出張時にも活用できます。

これまで海外旅行時に、「イモトのWiFi」や「GLOBAL WiFI」と言ったレンタルWi-Fiを利用してきた方には、朗報ですね。

携帯各社の海外ローミング(データ通信)は、docomoで日額980円、Y!mobileで日額2,980円、格安SIMは非対応
という料金設定ですので、Y!mobileや格安SIMユーザーからすると、海外用のレンタルWi-Fiは需要がありましたが、この点もahamoによる業界改革が起きそうです。

そのうち、「総務省が海外のデータローミングもMVNOに開放しろ!」と言い出して実際に開放されたら、海外用レンタルWiFi各社淘汰されますね。

速度切替・容量繰り越し不可

ahamoは、通信速度の速度切替(高速⇔低速)と容量繰り越しには非対応となっております
容量超過後も1Mbpsで通信できますが、容量超過する前に、「1Mbps」の速度に切替えることは出来ません。

データ容量の翌月繰り越しに関しても、ahamoは非対応となっております。
もし、データ容量の翌月繰越に対応していれば、最大40GB使える計算となりますが、そうは問屋が卸しません。

毎月20GBが使える。という認識でOKです。

端末はahamo専用端末

ahamoプランでセット購入できる端末は、専用端末となり、ドコモの通常プランで購入できる端末とは別物となります。

リリース時点の取扱端末は、「iPhone 11」「Xperia 1 II 」「Galaxy S20」の3機種となっています。
販売価格帯としては、5万円~7万円前後となっており、MVNOの格安スマホとキャリアのフラッグシップモデルの間をとった価格帯となっています。

発売当時、約12万円で販売されていたXperia 1 IIが7万円台で購入できるのは、ahamoの大きな魅力です。
(個人的には、Galaxy S20よりも断然オススメです。)

また、競合であるau「povo」、Softbank「LINEMO」では端末販売をしていませんので、この点もahamoの魅力となっています。

ahamo 3つの注意点

20GB程度のプランを検討している方にとって、プランの価格的にも、端末の価格的にも、正直デメリットなしの最強プランであることは間違いありません。

しかし、そんなahamoにも3つの注意点がありますので、下記、必ずご確認ください。

オンライン限定

ahamoは、申込・サポート・解約まで、すべてのサービスがオンライン対応となっています。
docomo shop店頭では、無料のサポートはしてもらえません。(詳しくは後述)

有料のみのサポートとなりますので、店頭で端末の使い方を教えてもらったりすることは出来ませんので、ご注意ください。

有償サポート

先程書いた通り、ahamoは、オンライン限定のサービスとなっている為、店頭でのサービスは受けられません。

ただし、1回3,300円でdocomo shop店頭でのサポート受けることが可能です。
これもdocomo契約時とは異なり、自身の端末でのWEB手続きをお手伝いしてくれるだけです。

docomo契約者が店頭に行った際には、「プラン変更をお願いします。」と言えば、店員さんがパソコンでカタカタ入力して「プラン変更が完了致しました。」となります。

ahamoの有償サポートは、プラン変更の方法を教えてくれるサポートであり、プラン変更を代行してくれる訳ではないので、ご自身の端末での手続きが必要となります。

本当に、サポートが必要ない方向けです。

店頭サポートを受けたいのであれば、キャリア契約を続けるか、店舗数の多いMVNO(UQモバイル・Y!mobile)の利用がオススメです。

キャリアメール非対応

ahamoを検討している方は、「脱キャリアメール」へと舵を切るときが来ました。
ahamoは「@docomo.ne.jp」のようなキャリアメールは使えません。

スマートフォンが台頭してから、gmail利用者が圧倒的に増えたと思います。
(Android利用には、Googleアカウントが必要な為)

現在キャリアメールを多用している方であれば、この機会にgmailへ乗り換えを勧めましょう!

元々は、docomoのサブブランドだった「ahamo」

IT Mediaさんの記事が面白いので、共有します。
参考:ドコモ新料金「ahamo」がサブブランドにしか見えない5つの理由

上記、記事内では、かなり優しく。タイトルも優しいタイトルになっています。
「もしかして、サブブランド予定だったんじゃないんですか?」という優しい感じの表現ですが。

筆者からすれば、「いや、99%サブブランド予定だったじゃん」という件。

上記記事内の理由1・3が物語っています。

1.ドメインがdocomoとは別物
3. docomo通常プランからahamoへの移行にはMNPが必要

理由2のネットワークオペレーターが「ahamo」になっている。というのは、プロモーション用のただのイラストの可能性がありますし、これはそこまで気にならないのですが、
理由3のdocomoユーザーであっても、MNPが必要っていうのは、サブブランドであったと断定できる強い要素かと思います。

ahamoプランは、2021年3月サービスインですが、3月中はdocomoユーザーであってもMNPが必要な模様。笑
4月以降は、docomoユーザーならMNP不要で、プラン変更という形が取れるとのこと。

なぜ、docomoがサブブランド予定だった「ahamo」を突如、docomoの新プランとして発表したのか。
総務省とdocomoの闘いが垣間見えます。

【docomoの本音】総務省がMVNO市場にもたらしたこと

まずはじめに、素人目線での読解となりますので、事実とは異なる場合があります。
読み物として、お楽しみ下さい。

元々、MVNOへの回線の開放に消極的だったdocomo。
総務省主導で、ついにMVNO(b-mobile)への回線貸与が始まったのが、2009年。

今度は、MVNOの活性化こそが、寡占市場である携帯通信産業の活性化に繋がり、結果として、日本の通信産業自体をより強固なものにするという大義のもと、MVNOに協力的だった総務省。

2018年:サブブランド叩きの年(UQモバイル)

2018年は、ひたすらUQモバイルが叩かれた年でした。
Y!mobileは、MVNO市場の活性化に貢献している。
UQモバイルは、端末の過剰な値引きで囲い込みを行っており看過できない。
よし、端末値引きに制限かけてやるわ! → 翌年 2019年10月「電気通信事業法改正」 → 0円端末終了

いや、消費者からすれば、端末が安いのは単純に嬉しいんだけど?というのを鮮明に覚えています。

当時、UQモバイルは戦略上、身銭を切って回線品質を担保していたと思われるのですが、KDDIのグループ会社ということもあり、「MVNO各社から、回線利用料が優遇されているに違いない!」とも叩かれていましたね。笑

蓋を開けてみれば、格安スマホ黎明期から収益性度外視でマスを取りに行ったUQモバイルと、当時から収益化を大前提としていたMVNO各社、という単純な戦略の違いでした。

2019年:SIMロック解除即時義務化の年

この年は、SIMロック解除即時義務化の年です。

キャリア各社は自社で取り扱っているスマホを他社で使ってほしくない(自社の競争優位性を保ちたい)ことから、SIMロック解除に各種制限をかけていました。

契約者本人じゃないと解除できないよー。
契約から〇〇日経過したあとじゃないと解除できないよー。
など。

これが、中古のスマホであっても、SIMロック解除できるようになり、中古スマホ市場の活性化およびMVNO市場の活性化にも一役買いました。

MVNOからすれば、総務省あっぱれ。ありがとう総務省。

2020年:docomo「いいんだな?MVNO死ぬぞ?」

MNP無料化・引き止め施策の禁止(MNP番号発行時のクーポン・割引施策など)などを盛り込んだ「MNPの実施に関するガイドライン」が2021年4月から施工されるのを前に、2020年12月時点で、一般の意見公募(パブリックコメント)を行っている段階。

MNP転出手数料が無料化され、引き止めポイントなども禁止される為、MNP流動性が高まると想定されています。

また、みなさんご存知の通り、総務省はキャリアに対し、値下げを要求してきました。

菅総理大臣「公共の電波を使い、莫大な利益を上げている。もっと国民に還元すべきだ!」

MVNOを活性化させて、市場競争を適正化させれば、通信産業も強くなって、価格競争も適正に働いて、利用者も事業者にとっても良いじゃない!というスタンスだったような…。
いつの間にか、キャリアの料金を値下げするというベクトルに…?

そもそも、格安SIMが普及してから、低価格・小容量な格安SIM、高価格・大容量なキャリア。
店舗サポートが弱い代わりに安い格安SIM、全国に店舗たくさん、サポート充実なキャリア。
とキレイに棲み分けが出来ていた訳です。

そんな最中、KDDI・Softbankが、総務省の値下げ要求に応じたプランをサブブランドである「UQモバイル」「Y!mobile」で発表したことに、総務省が文句をつけていたのが、ついこの間の話。

そこで、docomoがahamoプランをdocomoの新プランとして発表。

キャリアが低価格プランを導入すると、MVNOとの棲み分けが効かなくなり、当然のように、キャリアの寡占市場へと逆戻りが想定されるのは、誰でもわかること。

総務省が、au・Softbankの新プランを自社プランとして発表しなかったことに対する不満へのdocomoなりの回答がこちら。

表向き:「総務省様、わかりました。自社の新プランとして低価格プランを発表させて頂きます。」
本音 :「いいんだな?MVNO死ぬぞ?やったるわ。俺らはお前らの要求に応じただけ。知らんからな。」

いま、ここです。

docomoが、他社サブブランド(UQモバイル・Y!mobile)でも出来ていない高コスパプランをdocomo本体から出したことで、UQモバイルとY!mobileはプラン改定が必至。

サブブランドが低価格化・大容量化すると、MVNO各社も競合するプランの値下げが必須となり、競合プランを値下げすると必然的に下位プランもそれに応じて値下げが必要。

結果、回線利用料が下がっても、今回の大幅な値下げ圧力によって、MVNOの収益性は向上せず、キャリアの寡占市場への逆戻りへの第一歩になるのでは?というのが、一般的な見方でしょう。

今後、総務省が、どのようにMVNOを支援していくのかに注目ですね。

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