auの大規模通信障害が発生し、「通信障害」がトレンド入り。
こういうことがあると、「もうMNPして乗り換える!」という方もいらっしゃるかと思いますが、意外とどのキャリアともに、通信障害起こしてます…。
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過去10年間、総務省に報告があった「重大な事故」報告書に掲載されている、「データ通信」「通話」に関する通信障害について、3キャリアをランキング化してみました。
楽天モバイルはキャリア化して間もない為、ランキング外としています。
また、総務省が発表している「電気通信サービスの事故発生状況」は、2020年度分が最新の為、2011年~2020年の10年間のデータを基にランキング化しています。
(2021年分は9月頃発表予定)
そのため、今回のauの通信障害はこの統計に入っておりません。
総務省の統計に反映されるのは、2023年9月ごろの模様です。
総務省が「電気通信事故報告制度」で定義する「重大な事故」とは、2時間以上、3万人以上に影響があれば「重大な事故」に該当します。
※平成27年度以降の新基準
【独自スコア】障害影響度
重大な事故の中で、通話・データ通信に影響を与えた事案の「障害時間」「影響者数」を掛けた数値を算出し、ランキング化しました。
代替手段の融通が利きやすい「メール」「SMS」に関しては、今回の算定から除外し、「通話」「データ通信」に影響を与える障害にフォーカスしています。
スコアが少ないほうが、障害による被害が少ないという意味となります。
障害の重度(通信しづらい or 通信不可)などまで加味して算出するのは現実的に難しいので、障害の深刻度は無視して算出しています。
例1)障害時間2時間 影響者数10万人の場合
障害影響度:20
例2)障害時間10時間 影響者数100万人の場合
障害影響度:1,000
障害影響度をランキングにしました。
障害影響度が小さかった順に、3キャリアをランキング化しています。
1位が一番マシで、3位が一番酷かったというイメージです。
再三となりますが、2022年7月時点で、総務省が公開している最新データが2020年分となっています。
そのデータの中から直近10年分(2011年~2020年)のデータを基にしたランキングとなります。
1位:スコア 5,030
1位となったのが、今回の大規模通信障害を起こしたau。
総務省のデータが公開されていないで、この比較では計算に入れていませんが、今回、2022年7月の通信障害を加味すると、3位のSoftbankを飛び越えて最下位になります。
今回の通信障害は、かなり痛手でしたね。
auの過去10年間の「重大な事故」として総務省に報告された通信障害の一覧がこちら。
※冒頭で書いた通り、メール・SMS障害は省いています。
障害発生日時 | 障害継続時間 | 影響利用者数 | スコア | 障害内容 |
---|---|---|---|---|
2019年3月16日 7:47 | 4h9m | 36,355 | 15 | 緊急通報の利用不可 |
2013年5月30日 13:04 | 9h58m | 約64万 | 638 | LTEデータ通信利用不可 音声着信不可 |
2013年5月29日 04:30 | 18h43m | 約67.6万 | 1,265 | LTEデータ通信利用不可 音声通話利用不可 |
2013年4月27日 16:01 | 6h17m | 約59万 | 371 | LTEデータ通信利用不可 |
2012年12月31日 00:00 | 4h23m | 約180万 | 789 | LTEデータ通信利用不可 |
2012年2月9日 16:11 | 2h34m | 約130万 | 334 | パケット通信が利用しづらい |
2012年1月25日 23:33 | 3h30m | 約7.4万 | 26 | 音声通話利用不可 パケット通信利用不可 |
2011年11月2日 2:10 | 7h34m | 約110万 | 832 | 音声サービス利用不可 |
2011年4月30日 6:36 | 8h21m | 約91万 | 760 | パケット通信が利用しづらい |
合計 | 65.5時間 | 712.6万 | スコア計:5030 |
2位:スコア 5,915
2位が「docomo」、このランキングでは加味されていない2021年10月の大規模通信障害(29時間 1,290万人)や2022年7月のauの通信障害を加味したとしても、2位をキープ。
素人のイメージとしては、docomoは圧倒的に安定した通信品質というイメージがありますが、「重大事故」の過去事例から見ると、意外と他社と足並みを揃えている印象。
docomoの過去10年間の「重大な事故」として総務省に報告された通信障害の一覧がこちら。
※冒頭で書いた通り、メール・SMS障害は省いています。
障害発生日時 | 障害継続時間 | 影響利用者数 | スコア | 障害内容 |
---|---|---|---|---|
2020年5月30日 12:56 | 5h36m | 最大220万 | 1,232 | ネット接続利用不可 |
2016年4月22日 15:15 | 8h3m | 99,300 | 80 | 音声通話の利用不可 |
2014年10月21日 01:05 | 3h20m | 約21万 | 70 | LTE音声及び データ通信サービス の利用不可 |
2012年8月13日 18:09 | 32h4m | 約8万 | 257 | 国際ローミングが 利用しづらい |
2012年8月2日 18:15 | 1h27m | 約145万 | 210 | 音声通話・パケット通信が 利用しづらい |
2012年8月2日 16:20 | 19h52m | 約7万 | 139 | 国際ローミングが 利用しづらい |
2012年1月25日 8:26 | 4h42m | 約252万 | 1,184 | 音声通話・パケット通信が 利用しづらい |
2011年8月16日 11:29 | 7h | 約110万 | 770 | パケット通信が 利用しづらい |
2011年6月6日 8:27 | 13h9m | 約150万 | 1,973 | 音声通話・パケット通信が 利用しづらい |
合計 | 95.2時間 | 923万 | スコア計:5,915 |
3位:スコア 24,147
スコア237,061で最下位となったのがソフトバンク。
意外なことに、「重大な事故」に該当する通信障害の回数は最も少ないのが、このソフトバンク。
Softbankの取引先であるエリクソンのミスによって発生した、2018年12月の大規模障害がなければ、ダントツで1位でした。
Softbankって通信品質が悪いイメージがありますが、上記の大規模障害を除けば、かなり優秀な模様。
2011年~2020年のSoftbankの重大事故件数は4件のみ。
※冒頭で書いた通り、メール・SMS障害は省いています。
障害発生日時 | 障害継続時間 | 影響利用者数 | スコア | 障害内容 |
---|---|---|---|---|
2018年12月6日 13:39 | 4h25m | 約3,060万 | 13,515 | LTEデータ通信利用不可 音声通話利用不可 |
2018年9月17日 10:48 | 22h28m | 約436万 | 9,795 | 受信メールの喪失 |
2018年2月19日 9:30 | 9h14m | 約67万 | 619 | 音声通話が繋がりにくい |
2011年5月25日 3:58 | 30h17m | 約7.2万 | 218 | 音声通話・パケット通信が 利用不可 |
合計 | 66.4時間 | 3570.2万 | スコア計:24,147 |
参考データ
電気通信サービスの事故発生状況 – 総務省
障害継続時間 影響利用者数の掛け算は、
障害一件毎に掛け合わせたのち足した方が良いのではないでしょうか?
a社30時間1万人、30分500万人
b社30.5時間501万人
が同じ点数になってしまうのは良くない気がしました。いかがでしょうか。
匿名希望様
とても的確なご指摘、誠に有難うございました。
確かにおっしゃる通りでございまして、
参考にならないデータを掲載してしまったことを
大変反省しております。
只今より、再度、算出し直し、
ご指摘頂きました計算式にて、
再掲載をさせて頂きます。
ご指摘、誠に有難うございました!
また、何か不手際ございましたら、
ご指導頂けますと幸いでございます。